ふくしま浜通りサイクルルート
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ふくしま浜通りサイクルルート

【vol3】浜通りのサイクリストを全力応援!キーパーソンたち

キーパーソン | ふくしま浜通りサイクルルート
ふくしま浜通りサイクルルートの案内所
サイクリストの交流を生む「颯サイクル」
浜通りの楽しみ方をご案内します!
颯サイクル・木村匡志さん

ゆらりと揺れるヤシの木ときらめく大海原。トロピカルな世界が広がるいわき市の四倉海岸。ここにサイクリングを楽しむ人たちが集う場所がある。レンタサイクルやサイクリングツアー等を手がける颯サイクルだ。
店長の木村匡志(まさし)さんはサイクリングガイドとして、浜通りを訪れる人々にふくしま浜通りサイクルルートの魅力を案内している。颯サイクルのサービス内容や、浜通りサイクリングの楽しみ方を木村店長にお聞きした。

自転車基地はみんなのコミュニティスペース

颯サイクルの店舗は、四倉海水浴場の大型駐車場の一角にある。ウッドデッキの上に建つ店舗内には、自転車グッズが所狭しと置かれる。ロードバイクやクロスバイクがぎっしり並び、メンテナンススタンド、インドアトレーナー、棚にはスモールパーツ等の備品、弱虫ペダルの漫画やグッズ。そこはまるで自転車基地。

「同じ趣味を持つサイクリスト同士が集える場所を作れればと思いお店を始めましたが、今では毎日のようにサイクリストが立ち寄ってくれます。誰もが気軽に利用できるコミュニティスペースになっています」

レンタサイクルショップでありながら、洗車やメンテナンスサービス等も行っている

颯サイクルは、ロードバイク、クロスバイク、E-Bike、ミニベロ、タンデムバイクなどスポーツ自転車を一通り揃えるレンタサイクルショップとして、サイクリングガイドやプライベートツアーをコーディネートする。
「レンタサイクルとサイクリングガイドだけでなく、お客さんの愛車のメンテナンスや洗車などのサービスも行っています。来る者拒まず、浜通りのサイクリング情報を紹介する観光案内所のような存在になれればと思っています」
このほか、サイクリング中にメカトラなどトラブルが発生した際に現場へ急行する「サイクルレスキュー」サービスも行っている。いわきエリアだけでなく、ふくしま浜通りサイクルルートの山側もカバーし、安心して浜通りサイクリングを楽しんでもらえるサポート体制を整えている。

いわき市の沿岸部にできた防潮堤の上を走る「いわき七浜海道」は絶好のロケーション

颯サイクルの誕生は偶然だった!?

木村店長が颯サイクルをオープンさせたのは2022年6月のこと。きっかけはその2年前。実のお兄さんが経営する地元いわきの電気工事会社が、小名浜から四倉の現在の場所へ移転。そして、会社の前には四倉海水浴場の広い駐車場があった。そこで、ふたりは何か人が集まることをしたいと考えていた。
「ある日、駐車場にクルマを停めて自転車で走りに出かけるサイクリストを見かけたんです。四倉にはサイクリングの魅力があるのかも、レンタサイクル屋をはじめてみる!? となったわけです。当時はスポーツ自転車を趣味にしていたわけではないですし、すでに全線開通していたいわき七浜海道の存在さえ知りませんでした。きっかけは偶然でした」

サイクリングガイドとして、団体から個人までサイクリングツアーをアテンドする(先頭が木村店長)

地元を知り尽くした店長おすすめコースは?

レンタサイクルショップを始めるにあたり、木村店長はとにかく自転車で浜通りを走って地元を知ることからはじめた。最初に購入した自転車はグラベルロードだったが、程なくしてロードバイクも手に入れ、自転車の魅力に取り憑かれていった。日々、新しいルートを開拓する中で、今では浜通り地域を誰よりも知るサイクリストになった。

誰からも愛される木村店長。店長に会うために、いわきに来るサイクリストも多い

「ガイドする際は、お客さんの体力レベルや嗜好に合わせてコーディネートしますが、はじめて浜通りに来る方には、まずはいわき七浜海道を走ってもらいたいです。颯サイクルを起点にして距離15〜20kmほどで十分楽しめます。また海側だけでなく山側にある夏井川渓谷や四倉の田園もおすすめです。E-Bikeの用意もあるので、山側ルートにチャレンジして川内村まで走るルートも達成感があります。さらに、富岡町から北側は、原発事故からの復興が進んでいる地域なので、月単位で急速に街の様子が変わっています。つまり今しか見れない景色に出会える個人的に好きなエリアです。1度訪れて、また半年後、1年後に走りに行くとその変化に驚くと思います」
現在、颯サイクルでは、台湾はじめ海外の団体ツアーから、個人レベルのプライベートガイドまで幅広く手がける。また、地元の飲食店とコラボした「朝ごはんライド」(いわき市内のスローデイズカフェで朝食を食べるモーニングライド)、コスプレイベント「ハヤテコス」、地元のフェス「四倉ガーデン」など、定期的にイベントも主催する。

2025年春、台湾のサイクリングクラブが来日した際、ショップの前で記念撮影

最近、いわきが熱いらしい!

ふくしま浜通りサイクルルートのゲートウェイとなるJRいわき駅から颯サイクルまでは、夏井川サイクリングロードと、いわき七浜海道を繋いで15kmほど。道中には、サイクルルートを示す矢羽根や目的地までの距離看板が設置されている。

自らがサイクリングを楽しみながら浜通りの魅力を案内している
最新の営業日や営業時間はお店のSNSから確認できる

「近年、サイクルルートの整備が進むにつれて、浜通りを訪れるサイクリストが増えています。また、地元でも自転車が通行する道なんだという認識が高まっていると思います。また、地元の飲食店もサイクリストへの意識が高いです。サイクリストのおもてなし方について相談されることがあります。例えば、夏場にサイクルボトルへ氷を入れた水補給のサービスは嬉しかったりしますが、そのようなおもてなしのアイデアは、地域レベルでコミュニケーションを取りながら実施しています。こうしてサイクリングをテーマに地域でもネットワークが生まれ嬉しく思っています。地域全体で盛り上げていけたらよいですね!」
このように、じわじわとサイクルツーリズムが盛り上がりをみせているふくしま浜通り地域。「最近、いわきが熱いらしい! 颯サイクルというお店が何やら楽しそうなことをしている」と、情報をキャッチしたサイクリストが浜通りを目的地にロングライドを楽しんでいる。
他の地域から来たサイクリストに、「盛り上がっていて羨ましい」。そのように言われることもある。颯サイクルをはじめて4年ほどだが、同じ趣味を持つ者同士の交流の場を作りたいという想いで颯サイクルをはじめた木村店長は、地元の浜通りをそのように感じてもらうことに、今喜びを感じている。

サイクリストの輪が広がっている

2011年の大震災によって、いわき市や四倉地域は津波によって大きな被害を受けた。クルマや漁船が街に乗り上げ家屋を壊し、国道6号は砂で埋め尽くされた。あの日から15年が経つ。街の復興は進み、新しくできた防潮堤には「いわき七浜海道」が整備され、「ふくしま浜通りサイクルルート」は新たな観光資源になっている。
「当時は現在のような防潮堤もなければ、いわき七浜海道もありませんでした。今、街は復興してきて、地元のみんなも明るい気持ちで未来に向かっています。ふくしま浜通りサイクルルートの整備もその一つですし、今後ますます多くの人に来てもらってサイクリングを楽しんでもらいたいと思っています。最近は、関東のサイクリストとの交流も生まれ、先日は東京浅草のカフェに集まるサイクリンググループが10人以上で遊びに来てくれました。こうして輪が広がっていくことは、浜通りの盛り上がりに欠かせないと思っています」
仲間から”キムテン”の愛称で親しまれる木村店長は、屈託のない笑顔でそのように話す。浜通りサイクリングのことでわからないことがあれば、お気軽に颯サイクルへ。きっと木村店長が浜通りを120%楽しむプランを教えてくれるはずだ。

颯サイクル

https://www.hayate-cycle.com/
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